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【レビュー】LogicoolのキーボードSIGNATURE K855【シンプルで堅実な構成だけど中途半端かも】

今回はLogicool(ロジクール)のメカニカルキーボード「SIGNATURE K855」をレビューします。

ロジクールのメカニカルキーボードと言えば「MX MECHANICAL」を思い浮かべますが、今回の「SIGNATURE K855」は約1万円と比較的手頃な価格ながら、赤軸(リニアキー)を採用した軽快なタイピングと無線接続に対応したロジクールならでは高機能なメカニカルキーボードです。

実際に使ってみた感想や打鍵感など詳しくご紹介していきます。

目次

ロジクール SIGNATURE K855の製品概要

公式サイトでの販売価格は13,200円(税込)ですが、Amazonのロジクールストアではおよそ11,000円(税込)ぐらいで販売されているのでそちらの方がお得ですね。

製品名ロジクール SIGNATURE K855
発売日2022年8月4日
定価¥13,200(税込)
キーレイアウトテンキーレス88キー
キー配列JIS(日本語)配列
キースイッチTTC製赤軸(リニア)
キー プロファイルOEM
キーキャップPCR ABS
接続タイプLogi Bolt / Bluetooth
バッテリー単4形アルカリ電池x2
バックライトなし
サイズ高さ: 138.8mm x 幅: 355.2mm x 奥行き: 38.8mm
重量692.4g(電池込み)

バッテリーは単4電池のみ、バックライトも無く、US配列のモデルも用意されていないという、無駄を削ぎ落とした、ものすごく堅実な構成をしてるなーというのが、全体を通しての印象です。

ロジクール SIGNATURE K855の外観

メカニカルキーボードはキーキャッププラーなどが付属していることも多いですが、SIGNATURE K855の同梱物は保証書のみとなっています。余計なコストを省いて低価格を実現しているスマートさは魅力のひとつ。

テンキーの無い、いわゆる80%キーボードのレイアウトで、個人的に好きなサイズ感です。オーソドックスなJIS配列でF6には絵文字のマークが。

よく使われているであろうPrintScreenキーがありませんが、後述する「Logi Options+」アプリでキーマップ変更できます。

右側面にスライド式の電源ボタン。反対側の左側面には何もありません。この角度で見るとアルミボディが際立ってカッコいいです。

裏面中央に単四電池と「Logi Bolt USBレシーバー」を収納するスペースがあります。単四形アルカリ電池2本で最長3年間使用出来るとのことなので、バッテリー切れを心配する必要は無さそう。

チルト足を起こすことで1段階のみの傾斜角度が付けられます。

マットな質感のキーキャップで、手に吸い付くようなサラサラとした心地よい肌触りです。ABS樹脂製のプラスチックですが、リサイクルされたPCR原料を使用し、環境に優しいカーボンニュートラル認定を受けた製品になっています。

摩耗しにくいPBT製ではないので、長期間使用するとテカリが出てくるのは避けられません。ただ、キーキャップの印字はそもそも刻印では無くステッカーなので、印字の耐久性についてはよく分かりません。

いっそのこと剥がしてHHKBみたいな無刻印にしたらカッコいいかも!と思って爪を立ててみましたが剥がれませんでした。

BluetoothかUSBレシーバー経由で接続した3台のデバイスにワンタッチで切り替えられるEasy-Switch機能に対応しています。

本体上部に厚みを持たせフラットにすることで、使わない時に逆さまに立てて収納出来るのもSIGNATURE K855の特徴です。滑り止めの機構として細い溝が何本か入っていて細やかな気配りを感じるデザイン。

ロジクール SIGNATURE K855の打鍵音

SIGNATURE K855を実際に触る前に少しだけリサーチをしていましたが「うるさい」という口コミをちらほら見かけるのが気になっていました。

比較的静音性が高いはずの赤軸でそんなに言われるほどうるさいのかな?と思っていましたが、個人的な結論としては赤軸としては標準かややうるさい程度という印象を持ちました。

メカニカルキーボードとしては堅実な構成をしている機種で、ビジネスシーンやオフィスでの使用を想定しているかのように感じられますが、少なくとも会社の隣の席で使われたらちょっと気にはなる、という具合かも知れません。

実際の打鍵音が分かる動画はこちら↓

じゃあキースイッチを変えてみようか、となりますが、SIGNATURE K855はホットスワップ(キースイッチを簡単に取り外せる機能)に対応していません。

どうしてもキースイッチを交換したいなら、表と裏にあるネジを外してベリッと無理やり剥がさなければいけないようです。

3,000円ぐらいで買えるメカニカルキーボードでもホットスワップに対応しているものが多くあるので、1万円以上もするキーボードならホットスワップ対応にしてほしかった、というのが正直なところ。

SIGNATURE K855に使用されているキースイッチはTTC社製の赤軸で、キーストロークは4mm、押下圧も45gとどちらも標準的な数値です。

「うるさい」としきりに言われている理由は、おそらく、ロジクールというメーカーの信頼性や、約一万円というぎりぎり高級キーボードに分類されない価格が初めてメカニカルキーボードを試してみるという人に選ばれやすい立ち位置にいるせいでは?と思います。

初めてのメカニカルキーボードって軸の色に関わらずうるさいと感じるものですし、3,000円前後のものだったら逆に「別にこんなもんでしょ」と言われるような気がします。

ロジクール SIGNATURE K855の気になった点

1.「Logi Bolt」と「Unifying」に互換性が無い

SIGNATURE K855の2.4GHz無線通信には「Logi Bolt」という新しい規格が使われていて、従来の「Unifying」との互換性がありません。

当然、付属の「Logi Bolt USBレシーバー」でUnifying対応機器のペアリングでは接続出来ませんし、その逆も同じです。これがちょっと困ったポイント。

筆者は普段からトラックボールマウスの「ERGO M575S」を使用していて、上の画像のように隣に並べると同じロジクールどうし統一感があって見た目的には良いのですが、それぞれ違うUSBレシーバーでしか接続が出来ないんですよね。

いや、Bluetooth使えばよくない?と思われるかも知れませんが、USBレシーバーをPCに挿すだけですぐに使えたり、BIOS画面でも操作出来たりする点で2.4GHz無線接続が好きなんです。(もっと言うと有線のほうがより好み)

「Logi Bolt」も「Unifying」もPCに1つレシーバーを挿せばそれぞれ6台までデバイスの操作に対応していますが、規格の違いでUSBポートを2つ使用しなければいけない状況は正直なんだかなぁという感じです。

「Logi Bolt」自体はセキュリティや入力遅延等が改善された優れた新規格なんだと思いますし「Logi Bolt」と「Unifying」に互換性がないことをSIGNATURE K855の問題点として挙げるのは筋違いなので、今回の場合だとマウスをMX MASTER 3などLogi Bolt対応のモデルに買い替えるのが賢明ですね。

2.ファンクションロック状態が分かりにくい

キーボードのレビュー記事は、必ずそのキーボードで実際に文字を打って記事作成するようにしているのですが、まずそもそもPCとSIGNATURE K855のペアリングがなかなか出来ず苦労しました。

上で述べているようにUSBドングルをPCに刺すだけなのですが、なぜかキーが反応せず、Easy-Switchの長押しを何度試してもダメ、Bluetooth接続を試してもダメ、電池を新しいものに交換してもダメ、PCの再起動や別のノートPC、最終的にはMacに繋いでみようともしましたがダメで、途方に暮れてしまいました…。

結論から言うと、ファンクションロックが原因であることをこちらのページで知り「Fn」+「Esc」キーでファンクションロックを切り替えることでペアリングが可能になりました。

SIGNATURE K855はファンクションキーとメディアキーが一体となっている機種で、最上段のキーはデフォルトではFキーとしてではなく上段に印字されたメディア機能のほうが有効になっているはずなのですが、なんらかの理由でそれが逆の状態(Fキーがオン)になっていて、ペアリング方法であるEasy-Switchの長押しが出来ていなかったという状態でした。

Fキー状態なのかメディアキー状態なのかを物理的にパッと見で分かるインジケーター(小さいランプとか)のシステムがあればなと思いました。

Logi Options+で出来ること

SIGNATURE K855はロジクールのデスクトップアプリ「Logi Options+」でキーマップ変更などのカスタマイズとファームウェアのアップデートを行えます。

Logi Options+を起動しK855を選択した画面。

機能の割り当てが出来るのはF4からF12までのキーに限定されています。

F4からF12のキーには好きなキーを割り当てることもできますし、キーボードショートカットなども登録できます。

特筆すべきは「Smart Actions」の項目。複数の作業を自動化出来るマクロ登録機能で、あらかじめ用意されているものから選んでもいいですし、自分で作成することも出来ます。

「AIによるテキストの要約」なら、テキストを選択して登録したキーを押すだけでChatGPTと連携して瞬時に文章を要約ができたり、「Gmail 新規メール作成」ならブラウザでGmailを開いて新規メール作成、定型文の入力までワンタッチで行えます。

用意されているマクロの種類が豊富で、便利ですし、いろいろ試すだけでも楽しいのでおすすめです。

ロジクール SIGNATURE K855を使った感想

高級キーボードっぽい雰囲気を醸し出しながら約1万円と手を出しやすい価格で、人によってはベストバイになりうるキーボードだと感じました。

落ち着いた外観、Nキーロールオーバーやホットスワップに非対応な点、バックライトなし、キーキャップの印字が刻印ではなくステッカーなこと等から、メカニカルキーボードだけどゲーミング用途ではなく、オフィスで使用するビジネスマンをターゲットにしている印象を強く受けます。

でも、そのわりには静音性がそこまで優れているわけではないという点には、どうにもチグハグさを感じずにはいられず、やや中途半端だと思ってしまったのも事実です。

「Logi Options+」でのカスタマイズ性や、「Logi Bolt」の利便性、今回はご紹介していませんがマウスカーソルを移動させるだけで3台までのデバイスがシームレスに操作できる「Flow」などの機能は他にはないロジクールならではの圧倒的な強みです。

ハードウェア的にはやや不満が残るもののソフトウェア面で力技で納得させられてしまった。といったところでしょうか。

見た目は間違いなくカッコいいですし、なんといってもロジクールなので、音の問題を気にしなくてもいい方、高級キーボードほどの値段は出せないけど信頼できるメーカーの製品が欲しいといった方にはおすすめです!

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この記事を書いた人

INGSTEのライターとして記事の企画・執筆・校正・SEOを手掛ける傍ら、個人でもライター・ブロガー・Webサイト運営者として精力的に活動。ジャンルを問わない幅広いネタを扱うが、特にサブカル・ポップカルチャーに精通。趣味はVtuberとフロムゲー。SNSの運用が苦手な引きこもり。

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