中国の通販サイトTemu(テム)で何か購入してみようと思い、激安で販売されていたメカニカルキーボードMageGee STAR75を購入しました。
MageGee STAR75は右上にコントロールノブが配置された75%レイアウトで、CORSAIRのK65やDrunkDeerのA75、KeychronのV1などのモデルからインスピレーションを受けていると思われるキーボードです。
見た目もレイアウトもすごく好みだったので「これでいいじゃん」となり購入してみたわけですが、安いメカニカルキーボードにありがちな金属反響音が酷すぎて、とてもじゃないけどまともに使えない…。
というわけで、あの手この手を使って静音化を施してみました。
MageGee STAR75について
Temuでは3500円程で販売されていました。コントロールノブ付きのメカニカルキーボードでこの価格はめちゃくちゃです。
ちなみに注文からわずか6日で届きました。AliExpressのような感覚で、忘れた頃に届くのかと思っていたので驚き。
ホットスワップに対応しているのが左のシフトキー、スペースキー、エンターキー、バックスペースキーだけだったり、キースイッチもよくわからないメーカーのものだったりと、いろいろと気になる部分はありますが、レイアウトと見た目は好きなので、音さえなんとかなれば使ってあげたいところ。
キーキャップを手元にあったものに変えて、見た目だけでもさらに気に入るようにカスタマイズ。スーファミっぽさが同年代の人には刺さるはず。
静音化のために購入したもの
キーボードの静音化は動画などでも情報が溢れていて、大抵は以下の4つの方法がよく行われています。
- 静音化リング
- ルブ
- スポンジシートの敷き詰め
- TAPE MOD
今回はTAPE MOD以外の方法を試しました。
内部の基盤の裏にマスキングテープを貼ることで反響音を抑える方法は海外でTAPE MODと呼ばれ、定番の手法のひとつですが、今回は内部の空洞がスポンジシートでぎちぎちに埋まることを予想していたので非採用としました。
1.静音化リング
Amazonで145個入りの物を500円程度で購入しました。
静音リングはゴムのリングをキーキャップ内部の軸の部分に嵌め込むことで、底打ちした時の本体への衝撃や音を和らげるものです。
O-Ring(オーリング)とも言われます。キーキャッププーラーも付属。
付けることでキーストロークが約1mm-1.5mm程度浅くなります。また、2重にしてつけることでさらに静音化の効果を高めることも。
一列づつ全てのキーキャップの裏に付けていきました。影響の大きそうなスペース、エンター、バックスペースキーには2重に付けています。
音はちょっと小さくなったかな?という程度で劇的な変化という程ではありません。意味が無いというわけでもないですが。それよりも打鍵感がメンブレン的な感触に近づくので、打ち心地とのトレードオフ、一長一短ある方法だと感じました。
2.シリコンルブスプレー
Amazonで400円程で購入。
ルブ(ルビング)はキースイッチに潤滑材を注油することで摩擦や摩耗を低減させる方法です。Lube=潤滑油。
今回はお手軽に出来る方法としてKUREのスプレータイプのものを購入しました。
撮影のため、本体に付けたキースイッチに吹きかけているように見えますが、吹きかけ過ぎて下の基盤まで浸透させてしまっては故障の原因になるので、実際にはキースイッチを外して行っています。
ただ、上でもご紹介したようにホットスワップに完全には対応していない機種で、左シフトキー、スペースキー、エンターキー、バックスペースキー以外は取り外せないので、その4つのみ取り外して、さらには吸引による人体の影響も有るということなので一応自宅のベランダで作業を行いました。
ルブに関しては最初から音というより打鍵感における影響の方が強いと予想していました。実際そのとおりで音の変化はほぼ感じませんが、ルブしたキーは間違いなくスムーズに押せるようになっています。どの程度効果が続くかこれから経過を見ていきます。
3.EVAスポンジシート
隙間を埋めつつ、少しでも衝撃を吸収する機能があるものならなんでも良いと思います。なんなら新聞紙のような物でも。
今回は100均にもあるEVA樹脂素材のスポンジシートを使用します。
ダイソーの販売ページはこちら↓
EVAスポンジシート(2.5mm) -DAISOネットストア
実店舗でも大型店のみですが販売されています。
キーボード内部に空洞のスペースがあることによる反響で金属反響音が酷い状態だと予想していたので、このスポンジシートの敷き詰めが今回の作業の本命です。
厚み2.5mmの物を1枚敷き詰める予定でしたが近所のダイソーでは販売が無かったので1.5mm×2枚で代用することにします。
分解のため、分かりづらいですが画像の印の位置のネジを外します。わずか3箇所。
10箇所ぐらいネジがあると予想していたので、チープさを感じずにいられないポイントでした。
というか、ネジの少なさによるガタつきが金属反響音の大きさの原因なんじゃ…?と思いながら分解していきます。
分解したところ。
ネジを外すだけでケースと基盤が分離するキーボードが多いのですが、この製品の場合はケースの方に固定用のツメが何箇所かあるので、マイナスドライバーを突っ込んでツメをパキッとこじ開けることで分解できます。
最初からフェルトのスポンジシートが入っていました。厚さは1mm程。
最初から入っていたシートのサイズに合わせてダイソーのスポンジシートをカットしていきます。
カットしたものは下のほうがガタガタになっていますが内部に収納するので気にしない。
横幅がちょっと足りなかったので切れ端もサイズを合わせて用意。
元から入っていたシートが約1mm、購入したスポンジシートを2枚入れて1.5mm×2なので、加算3mm、合計で約4mmを埋めることになります。結構ぎちぎちの状態です。
この後、元通りに上の基盤を戻してネジを締めて今回の作業は完了です。
1番効果があると予想していたとおり、間違いなく静音化になっていると思います。たった3mmのペラペラのシートを入れただけですが、本体の重量も心なしか重くなったような気がしますし、何より金属の嫌な反響音は確実に小さくなっています。
実際の打鍵音比較
ここまで長くなりましたが、実際の打鍵音です。
おそらく動画では伝わりにくいし、効果があるのか無いのかよく分からないという状態だと思いますが、筆者の感覚では間違いなく金属反響音、ついでに反響音じゃない部分の打鍵音自体も小さくなっている感じます。
イヤホン推奨です。それでも伝わりにくいとは思いますが…。
まとめ
- MageGee STAR75を購入。見た目好きでも金属反響音が酷い。けどなんとか使いたい。
- 静音化リングの効果は弱め。打鍵感が劣化。
- ルブは打鍵感が向上。静音化としては無意味。
- 内部の空洞を埋めるのは効果有り。道具は100均でも買える。
最終的な結論として、劇的な変化というほど変わってはいないものの、間違いなく静音化出来ているとは思います。
ただ、もっと効果を実感したいと思ったのも事実で、今回試さなかったTAPE MODや、他のキーボードやキースイッチ、クリームタイプのルブならどうなるんだろう?というような興味がさらに湧いてきているという、いわゆる沼の状態です。
もっと色々やってみたい。
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