こんにちは!しおねるです🦈
数年に一度の大寒波が連日ニュースになっていますね…。
特に北海道帯広市では半日で120センチという記録的な大雪が降ったのだそうで、帯広の人々の叫びがXでたくさん見受けられました。
また、帯広出身の友人がご家族から送られてきた写真を共有してくれました。
やばすぎる。
車の上に車が乗っているかと思うくらいの積雪…朝起きてこうなってるの本当に生きた心地しないでしょうね…。
筆者は雪が比較的少ない地域で生まれ育ったため、こんな景色は見たことがほぼありませんでした。
試される大地とはよく言ったものですが、実際どれくらい試されているのか気になりますよね。特に冬。
ということで、今回は北海道の現実をお見せしたいなと思い、知人たちに協力してもらって(みんなありがとう!)道民の冬の苦悩やあるあるを集めてまいりました。
道民の方はわかる〜、道外の方はへぇ〜と楽しんでもらえると嬉しいです!
屋外編
まずは屋外編から。
大前提として、道民は雪を見ても「よっしゃー!雪だー!」となることがあまりないです。
なぜよっしゃー!とならないのか、これを読めばよくわかってもらえると思います。
それではどうぞ。
冬の到来を知らせる「雪虫」
皆様は「雪虫」をご存知でしょうか。
体に白い綿毛のようなものを纏っており、そこら中をふわふわと漂っている様子が雪に似ているので雪虫と呼ばれています。
一見かわいらしいビジュアルですが、道民はこの雪虫に毎年苦しめられています。
人間とぶつかるとその瞬間に息絶えてしまうか弱い生物なので、ニットやカーディガンで出歩くと地獄。
メガネ、マスク、シャカシャカアウターが最適解です。
特に2023年は大量発生して大変なことになっていて、外を歩くのも困難なうえにそこらじゅう生乾きのにおい(死骸のにおい)が充満していました。
そしてこの雪虫、「見かけると雪が降る」と言われています。
実際本当にそうで、見かけるとその2週間後には大体初雪が降るため、道民は雪虫を見かけると「ああ・・・冬が来るのか・・・」と、雪と共にやってくる悪路や雪かきを思って気分が沈みます。
ちなみに本名は「トドノネオオワタムシ」というアブラムシの仲間で、白い綿毛のようなものは体から分泌されるロウなんだそうです。かわいくない…。
寒いというか、痛い
冬場はマイナス気温が当たり前で、プラス気温(1度とかでも)になると「今日あったかいね」という会話が飛び交う北海道。
湿度も低く空気も澄んでいるからか、気温が低くなりすぎると寒いを通り越して痛くなります。
火傷した時って流水や氷で痛くなるまで冷やしたりしますよね。あれをもっと鋭い痛みにした感じです。
晴れている日がツンと突き刺すような寒さだったら、雪が降っている日はじんわり広がるような寒さだと思います。
そして、マイナス気温の中でも晴れている日は特に寒く、雪がたくさん降った方があたたかく感じます。
若者はファッションを楽しんでいたりしますが、筆者は最近それどころじゃなくなってきました。
特にデニムは絶対に履かない方がいいです。太ももとおしりの感覚がなくなります。
今いる場所は歩道?車道?
雪の積もりすぎや、除雪車の積んでいった雪によって、歩道がなくなったり、道の区別が消えたりします。
参考までに、こちらの写真をご覧ください。
伝わるでしょうか、この絶望感…。
歩行者目線だと、このように除雪された雪によって道がなくなって車道を歩くことになったり、やっと見つけた道もツルツルかぐちゃぐちゃだったり、落とし穴のように足が急に埋まったりします。
また、運転手目線だと、雪が積まれて壁のようになっているため曲がり角を曲がる時がめちゃくちゃ怖いですし、道幅も1車線のような狭さで対向車が来たらと思うと非常に恐ろしいです。
さらに雪がある場所はスケートリンク状態・轍がある場所は車の底が削れそうになるし滑る・雪がないところもアイスバーンで救いがなく…。
本当にこの時期は外に出るのが億劫になります。
そんな屋外の道問題対策として、郊外の車道には「矢羽根」という矢印が立っています。
これは道路の境目がここだよと示してくれるもので、ひどい雪のときなどはこれを目印に走ることができるわけです。
また、歩行者に向けては道路の脇に「滑り止め用砂」が設置されています。
写真のような「砂箱」の中に、袋に入った砂が置いてあります。
これを撒くことで細かい石がストッパーとなり歩きやすくなる、というわけです!
ですが、雪解けすると逆にボコボコして歩きにくくなるため、使い所に注意です。
雪かきには「ママさんダンプ」
雪が降る地域で必須なのが、雪かき。
平気で膝〜腰くらいまで積もる時もあって、そうなると家から出られなくなってしまうのです…。
そのため特に雪深い地域では除雪車が来るより先に近隣住民総出で一生懸命雪かきをするのですが、その際によく使われているのが「ママさんダンプ」というスノーダンプです。
名前の由来は「お父さんより力が弱いお母さんでも、かんたんに雪かきができるから」。
実際本当にかなり楽で、通常のスコップよりも労力を使わずにたくさん雪をすくえて、さらに雪を捨てるところまで軽々運搬できる優れもの。
こんな感じで、雪をズボッとすくって、そのまますい〜っと運べちゃいます。
すくっては投げすくっては投げ、の動作が省略できるのでとても楽です。
「今年は雪少ないね」に注意
これはほぼ毎年のことなのですが、「今年は雪が少ないねー」と話していると、辻褄を合わせるかのように2月頃にドカ雪(ありえない量の雪のこと)が降ります。
まさに週末にこの現象が起こりまして、数日間プラス気温続きで春のような陽気&雪が溶けて路面が見えてきていたところだったのに、数日間にわたり毎日30センチくらいの雪が降り続けました。
いくつか写真を撮影したのでご覧ください。
まずはこちら。
歩道に生えているナナカマドの木なのですが、木がほとんど雪に埋もれています。
実の上にも雪が積もっていて、初めて見る光景だったのでめちゃくちゃびっくりしました…。
続いてはこちら。
筆者と同じくらいの高さに積まれた雪・おそらく車が埋まっていたであろう痕跡・埋まっている車がありました。
遠近感がバグって、比較的身長の高い筆者が小人のように見えます。
恐ろしいことに、この積雪は一晩での出来事でした。
このように、油断していると嘲笑うかのように帳尻合わせの雪がやってくるため、くれぐれも「今年は雪少ないねー」という会話に気をつけてください。
屋内編
雪に喜べない理由をわかっていただけたでしょうか…。
屋外だけでなく、屋内での悩みももちろんありますので、ここからは屋内編を紹介します。
長期外出の際は水落としが必須
年末年始など、1週間以上(下手したら3日とかでも)家を空ける際は水道の水落としが必須です。
なぜならば、水道管が凍って、破裂してしまうから…!
一度破裂してしまうとその修繕費はもちろん、賃貸であれば水漏れなどで上下階の方にも迷惑がかかるため弁償しなければなりません・・・。考えただけでも恐ろしいですね。
中でも特に凍りやすいのはトイレ。
リビングよりも離れた場所にあって空気が冷え切っており、賃貸だと暖房がついていない家がほとんどなので、本当に危険です。
なので絶対に水抜きを、特にトイレは入念に行ってください。
水抜きの方法はおうちによって様々なのですが、大体契約書などと一緒に説明書をもらえるので、それを見ながら行いましょう!
さらに用心深い人は不凍液も入れると良いかと思います。
凝固点が水より低い不凍液を排水管に注いでおくことで凍結を防ぐことができます。
こたつに憧れがある
小さい頃から身近にこたつがなくて、こたつに強い憧れを抱いています。
ただ、これはもしかすると筆者や筆者の周りだけかもしれない…と思って調べてみたところ、こんなランキングを見つけました。
こたつ保有率ランキングなのですが、なんと北海道はワースト2位!(最下位は沖縄)
2012年12月集計とのことなので少し昔のデータではありますが、暖房設備が発展した印象があまりないため、今でも信憑性があるデータなのではないかと思います。
なぜこたつがないのだろうと考えてみたのですが、おそらくこたつがなくても家がぽっかぽかだからだと思います。
大抵の家は賃貸であっても備え付けの灯油ストーブがあり、しかも断熱性に優れているので、室内で寒いと感じることはあまりありません。
冬場は大体ずっとこの灯油ストーブを着けているので、灯油のにおいがするとすごく冬を感じたりします。
道民はそんなぽかぽかの室内で、薄着でお風呂上がりにアイスを食べるのが至福の時間なわけです。
ちなみに、ストーブの種類にもよりますが、大抵備え付けストーブの灯油は勝手に給油されます。
建物の外に画像のような灯油タンクが備え付けられていて、灯油屋さんやガス会社の人が毎月検針&給油して行ってくれるんです。
そしてその給油した分の金額がガス代と一緒に請求されるというわけです。
余談ですが、1月分のガス+灯油代はこちら。
ストーブの温度を限界まで下げてモコモコグッズで震えながら過ごしてこれです。普通に生きていけません。
生まれ育った地なので北海道は大好きですが、本当に毎年冬だけは逃げたくなります…。
番外編
外に出ても家にいても何かしら苦しめられる冬。
最後は番外編として冬のあるあるをご紹介します。
冬の玄関は冷蔵庫(なんなら冷凍庫)
先ほど室内が暖かいという話をしましたが、屋外は刺すような寒さなのでキンキンに冷えております。
なので、道民たちは冬場の玄関を冷蔵庫がわりに使っています。
特に活躍するのは、親戚がたくさん集まって飲食物が増える年末年始!
お酒など冷やしたい飲み物だけでなく、お刺身などのなまもの系、箱買いしたみかんは冷え冷えの玄関に置くことが多いです。
誰が寒い玄関にそれらを取りに行くか、じゃんけんして負けてブーブー言うのも正月の醍醐味だなぁと思います。
ちなみに、北海道ではおせちを大晦日に食べる風習があるので、大晦日の夜のごはんが一番豪華です。
あと、これは当たり前だと思っていてびっくりしたのですが、お正月に食べがちな茶碗蒸しには栗(甘露煮)が入っています。
本州や九州では銀杏入りが主流と聞いて、甘い茶碗蒸しに慣れている筆者は衝撃でした…!
回転寿司屋さんにある茶碗蒸しも絶対に栗が入っているので、北海道に来た際は是非食べてみてください!(筆者は毎回必ず茶碗蒸しといももちを食べています)
卒業式・入学式での桜は映画やドラマの話
北海道では、10月下旬に初雪が降ってから、3月頃までは雪が残っています。
北海道で桜が咲くのは大体5月頃。
そのため、卒業や入学といったいわゆる春の行事のときは、まだ分厚いコートを着てマフラーをしており、桜どころか絶妙に残っている黒ずんだ雪と共に出会いや別れを経験してきたわけです。
卒業式に桜が咲いているあの光景は映画やドラマの中での話なので、3月や4月に咲く桜に憧れがあります。
参考までに、昨年の3月の様子をご覧ください。
3月なのに普通に雪が降っていたようですし、めちゃくちゃ残ってますね。
ちなみに、降ってから溶けずに春まで残る雪を「根雪」と言って、道民は根雪かそうじゃないかを判断してその後の服装や動き方を決めています。
おまけ:おすすめの冬靴
こちらに引っ越してきたばかりの方に冬靴のおすすめをよく聞かれるのですが、筆者としてはアウトドアブランドのもの一択です。
長靴や、女性だとムートンブーツなどもありますが、長靴は素材が薄くて指先の感覚が一瞬で消えますし、ムートンブーツは防水スプレーをかけないとビッチャビチャになります。
その点アウトドアブランドは、防水加工や保温機能など機能性抜群のものが多いです。
その中でも筆者が愛用しているのが「KEEN(キーン)
雪が降る地域の人にオススメ!「メンズ レヴェル フォー チェルシー 防水ウィンターブーツ」
これは実際に筆者が履いているシリーズのものなのですが、雪がよく降る地域の方にとってもおすすめです。
元々別のブランドのスノーブーツを履いていたのですが、それがすごく重たいうえに丈が長くて歩きにくく、長時間外にいると指先が冷え冷えになってしまうのでずっと買い替えたいと思っていました。
そこで新しいブーツを探していて見つけたのがこちらのチェルシーブーツ。
チェルシーブーツというのは、くるぶし丈で両サイドにゴムの幅広いテープが縫い込まれたブーツで、サイドゴアブーツとも呼ばれます。
一般的なブーツと違って着脱がとても簡単で、くるぶし丈なので重みもなく、すごく使いやすいです。
また、表面には防水加工が施されているため、雪がついて溶けても染み込みませんし、なによりもめちゃくちゃ暖かい!!!!!
冬靴を履いていて暖かいと思ったことはこの靴に出会うまでなかったのですが、この靴を履いているときはなんなら暑い時すらあります。
雪が降らない地域の人にオススメ!「メンズ ハウザー II スリッポン」
こちらは雪があまり降らない&降っても〜5センチ程度の地域の方におすすめの商品です!
ソールのゴムや布地の部分が柔らかくて歩きやすいですし、靴の中はフリースっぽい素材になっていてすごく暖かいです。
先ほどのブーツと同じようにサイドゴア仕様になっていてスリッポンのように簡単に着脱できるので、「スニーカーでもいいけど、ちょっと寒い…」と思っている方にとってもおすすめです。
どんなファッションにも合いそうなビジュアルもまた良いです。
筆者は持っていないのですが、いずれ欲しいなと思っています。
まとめ
改めて、道民がどれほど試されているかご確認ください。
屋外編
- 冬の到来を知らせる「雪虫」
- 寒いというか、痛い
- 今いる場所は歩道?車道?
- 雪かきには「ママさんダンプ」
- 「今年は雪少ないね」に注意
屋内編
- 長期外出の際は水落としが必須
- こたつに憧れがある
番外編
- 卒業式・入学式での桜は映画やドラマの話
- 冬の玄関は冷蔵庫(なんなら冷凍庫)
他にもたくさんあるのですが、一旦このあたりでやめておきます。
本当に春夏秋冬の割合がおかしい。冬の主張が激しすぎる。もっと控えめになってほしい。
この時期はちょうど「さっぽろ雪まつり」も開催されていますので、北海道に来ることがあればぜひ参考にしていただけたらと思います!
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