文書作成やウェブ閲覧など、一般的な用途でもLinux PCを活用できるということが知られてきたようです。
Linuxを使うかどうか迷っていて、具体的に何ができるのかを知りたいという方もおられることでしょう。
そういうわけで、今回はピンポイントで「動画配信サービス」が利用できるのかということを検証してみます。せっかくPCを使うからにはエンタメ要素も切り捨てたくありません。
動画配信サービスでは、著作権保護などのために特別な技術が用いられています。WindowsやmacOSでは問題なく視聴できますが、Linuxでもうまく再生できるでしょうか。
「Linux Mint 22.3」を利用して検証しています。
ブラウザは「Google Chrome」を公式サイトからインストールしました。
画質に関しては「YouTube」でフルHD(1920×1080ピクセル)再生できることを確認しています。
実際の画質を確認するためChromeの拡張機能「Web VideoMark」を利用しました。
検証する動画サービスとLinux対応についての言及
それぞれの配信サービスの概要と、Linuxでの動作に関する情報です。
Lemino・TVer・NHK ONEは、無料コンテンツが用意されていたり、そもそも無料サービスであったりするので手軽に試せます。
Netflix
オリジナルコンテンツも含め作品数が多い。
日本のコンテンツも外国語字幕や吹き替えで世界に発信されている。
Linuxで視聴できる場合があるがカスタマーサポートセンター対応外との記述あり。
https://help.netflix.com/ja/node/30081
Amazon Prime Video
Netflixと同じくワールドワイドな動画が楽しめる。扱われているジャンルは多い。
WindowsまたはmacOS以外のオペレーティングシステムを実行している場合、再生は標準画質に制限されるとの記述あり。
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=GUVGB3QMQRYRERYW
Lemino
NTTドコモが提供するサービス。無料配信分視聴や、特定のジャンルのチャンネルのみの契約も可。
Linuxに関する言及なし。
TVer
民放番組放送後に一定期間無料公開。同時配信サービスもあり。
Linuxに関する言及なし。
NHK ONE
NHK番組放送後に一定期間無料公開。同時配信サービスもあり。
Linuxに関する言及なし。
視聴の検証結果
実際に再生できるか試してみます。
Netflix
再生できました。
前章で触れた公式サイトには、LinuxでもフルHD(1080p)で再生できる場合があると記載されていますが、今回の環境ではHD画質(1280×720ピクセル)を超える画質では再生できませんでした。
動画も視聴環境もフルHDに対応しているので少し残念です。
そこで、Chromeの拡張機能「New Netflix 1080p」を追加します。以下のように右上の[︙]→[拡張機能]→[Chromeウェブストアにアクセス]をクリックし、「New Netflix 1080p」を検索・追加します。


Netflixでは、再生画面で[Ctrl]+[Alt]+[Shift]+[D]キーを押すと再生情報が表示できます。(1920×1080)という表示からフルHDで再生できるようになったことがわかります。


同様に「Web VideoMark」でもフルHDでの再生が確認できました。
Amazon Prime Video
再生できました。
今回の環境では、プレーヤーで最高画質を選択してもフルHDにはならず、公式サイトに記載されている標準画質の制限と一致する結果になりました。「Web VideoMark」で確認してもフルHDにはなっていません。
他のブラウザを使っても同じ結果でした。また、ブラウザ・OSなどの環境(ユーザーエージェント)をWindowsに見せかけてもフルHDにはなりませんでした。
Lemino チャンネル & 無料公開分動画
再生できました。
プレミアム会員に登録していないので無料分と、有料で登録したチャンネルで検証しました。
「Web VideoMark」で確認するとフルHDで再生できています。
TVer
再生できました。
「Web VideoMark」で確認するとフルHDで再生できています。
ただし、以下のとおりChromeやEdgeで再生したい場合は少し手間が必要です。Firefoxではそのまま再生できます。
ChromeやEdgeでアクセスすると、再生ボタンではなくアプリへのリンクが表示されます。Linux+Chrome(Edge)でアクセスするとAndroid端末と誤認識しているのかもしれません。


そこで、Chrome拡張機能を追加します。拡張機能の追加に関しては上記のNetflixの項を参考にしてください。
「User-Agent Switcher and Manager」を検索・追加します。


まずTVerを表示しておき、そのタブのままで設定していきます。
ブラウザ右上に「User-Agent Switcher and Manager」のアイコンが表示されるようになったので、クリックして設定を開き、上の項目を「Chrome」と「Windows」にします。
次に一覧の中から一番上のChromeバージョンを選び、下の[Apply(this tab)]→[Refresh Tab]を順にクリック。


これで、ChromeやEdgeでも再生ボタンが表示され、フルHD画質で視聴できました。
なお、リアルタイム配信についてですが、検証時はフルHDになりませんでした。同時配信自体がフルHDで行われていなかった可能性もあります。
NHK ONE
再生できました。
無料の見逃し配信サービスには多数フルHD動画が用意されていますが、問題なく最高画質で視聴できました。ただし、「Web VideoMark」が対応していないので、ブラウザ内プレーヤーの設定と目視で確認しています。
リアルタイム配信についてですが、検証時はフルHDになりませんでした。同時配信自体がフルHDで行われていなかった可能性もあります。
参考:以前契約していたサービスでは
現時点では契約していないものの、筆者が6ヶ月以内にLinuxで視聴できていた動画サービスもあります。いずれもLinuxでの動作に関しては何も触れられていませんでしたが、視聴確認ページが用意されているので契約時の参考にしてください。
NHKオンデマンド
視聴確認ページ
https://www.nhk-ondemand.jp/share/enjoy/#chk
DMM TV
視聴確認ページ
https://support.dmm.com/dmm-tv/article/47783#%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%B6%E3%81%A7%E5%86%8D%E7%94%9F%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%99%E3%82%8B%E6%96%B9%E6%B3%95
FOD
視聴確認ページ
https://fod.fujitv.co.jp/sample/player/
Hulu
視聴確認ページ
https://www.hulu.jp/watch/100076102
Linuxでは見られなかったサービス
なお、動画配信サービス「VideoMarket」はいろいろ試してみたのですが、筆者のLinux環境では視聴できませんでした。
もちろん、サービス自体は正常に利用できるものなので、Chromecastで視聴しました。
VideoMarket公式サイト
https://www.videomarket.jp
公式対応に関わらずまずはトライ
動画配信サービスに関わらず、Linuxでの公式対応について何の記載もないサイトやサービスは多くあります。もちろん、利用規約で禁止されていたり金融機関などのサイトでは推奨環境を使うほうが良いでしょう。
ただ、今回の検証結果や、筆者が日常的に利用していて気付いたことは、思いのほか多くのサービスが動作するということです。
いくつかのサービスでは画質に制限がありましたが、ブラウザや拡張機能の工夫によって改善できる場合もあります。また、視聴環境によっては最高画質でなくても気にならないでしょう。この場合は普通にブラウザでアクセスするだけです。
もっと複雑な工程が必要だと思っていた方にとっては拍子抜けだったかもしれませんが、Linuxはエンタメ用途で用いるOSとして選択肢の一つと言えるでしょう。













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