こんにちは。編集長の川畑です。
家に余っているPCはありませんか?
余っているPCの有効活用や、エンジニア志望の方の勉強用にもってこいのソフトウェア「Proxmox」を紹介します。
Proxmoxって何?
- Proxmox VE(Virtual Environment)は、複数のOSやサービスを1台のPCやサーバー上で動かせるオープンソースの仮想化プラットフォーム。
- 無料で使えるのが最大の魅力。
- VMware ESXi や Hyper-V のオープンソース版のような存在。
ふむふむ。難しいですよね。
proxmoxで何が出来るのかをざっくりと説明します。
通常、物理的なPCが1台に対し「Windows」や「Linux」などのOSをインストールし1台のPCとして使用します。まぁ当然ですよね。
しかし、物理的な1台のPCにまず「Proxmox」をインストールすることで、そのPCのリソースを複数の仮想PCに割り振り、複数台の仮想PCとして利用する事ができます。


なぜ面白いのか(IT好きがハマる理由)
- 余ったPCで複数のサーバーを運用できる
→ 古いPCをProxmoxに変身させて自宅サーバーに - 「家庭内クラウド」環境が作れる
→ 自宅NAS、Plex、ホームラボ構築に最適 - 企業レベルの機能が無料
→ ESXiなど有償ソフトと肩を並べる機能が使える
仮想PCを簡単に作成・削除することが出来るので、面白そうなOSSをちょっと試してみたり、ファイルサーバーを作ってみたり、勉強の為の環境をつくってみたりと遊びや学び、実用的な使い方と幅広く活用することが出来ます。
Proxmox導入方法
Proxmox公式サイトからインストール用のISOデータをダウンロード
Proxmox公式ページへアクセスし、画面上部のメニューから「download」をクリックします。


「Proxmox VE 〇.〇 ISO Installer」の「Download」をクリックしISOデータをダウンロードします。
ISOデータをUSBフラッシュメモリに書き込む
Proxmoxをインストールするにあたり、外付けのUSBフラッシュメモリが必要です。
書き込みツールの定番はWindows向けですが「Rufus」ですね。
先ほどダウンロードしたProxmoxのISOデータをRufusを使ってUSBフラッシュメモリに書き込みます。
Rufusのポータブル版をダウンロード
Rufusの公式トップページから、最新版のRufusのポータブル版(rufus-〇.〇p.exe)をダウンロードします。


ProxmoxのISOデータをUSBフラッシュメモリに書き込む
ダウンロードしたRufusのexeファイルをダブルクリックで開きます。


①:PCに接続したUSBフラッシュメモリを選択します。
②:ダウンロードしたProxmoxのISOデータを選択します。
③:「スタート」をクリックします。


「イメージ書き込み中」が100%になれば、Proxmoxインストール用のUSBフラッシュメモリは完成です。
下の画像は、ISOデータ書き込み後のUSBフラッシュメモリです。8MBと1.46GBのパーティションが出来ていますね。
2GB以上のUSBフラッシュメモリがあれば問題無くProxmoxインストール用のUSBフラッシュメモリが作成出来そうです。


ProxmoxをインストールするPCのBIOS設定でUSBブートにする
作成したProxmoxインストール用のUSBメモリでProxmoxを起動する為に、PCのBIOSでブートの順番を変更します。
PCによってBIOSの開き方やメニューが違うので、ざっくりと説明します。
PCの電源が切れている状態で、Proxmoxインストール用のUSBフラッシュメモリをPCに接続した状態でPCの電源を入れ、BIOSメニューに入る様にしてください。
BIOSの開き方
PCの電源を入れた直後に下記のいずれかのBIOSキーを押します。
「DEL」キー | 一般的なデスクトップPCはこのキーが多い |
「F2」キー | Dell、ASUSのノートPCなど |
「F10」キー | HPなど |
「F12」キー | Lenovo、NECなど |
「Esc」キー | 一部のメーカー |
電源投入後、BIOSに入る為のキーを「カチカチ」とゆっくり続けて押し続けるとBIOSに入りやすいです。
Bootの順番を変更する
PCは起動後、BIOSで設定された場所をまず読み込みに行きます。
なので、WindowsなどのOSが入っているストレージより先にProxmoxのインストーラーが保存されているUSBフラッシュメモリを読み込みに行く様に設定を変更する必要があります。
BIOSメニューが表示されると「Boot」や「Boot Manager」などそれに近い文言が書かれたメニューがあると思うので、そこを選択してください。
「Boot Priority」の様な起動の順番を設定するメニューがあると思うので、そこで起動の順番の一番上に、接続しているProxmoxインストール用USBフラッシュメモリが来るように設定してください。
BIOSやUEFIによっては、起動の順番を変更しなくても、Bootメニューで選択したデバイスから起動出来るものもあります。
起動の順番を変更したら、画面のどこかに「Save & Exit」の様な、保存して終了という意味のボタンがいずれかのファンクションキーに割り当てられている記載があると思うので、選択して終了してください。
Bootの順番を変更して、保存して終了すると、再度PCが起動し、設定したUSBフラッシュメモリから読み込みがはじまるので、Proxmoxのインストールが開始されます。
Proxmoxインストール
インストール方法の選択
インストール画面が開始されたら「Install Proxmox VE(Graphical)」を選択します。


ライセンス契約を確認し、承諾する
ライセンスに関する説明が記載されているので、問題なければ画面右下の「I agree」を選択します。


Proxmoxをインストールするストレージを選択します
画面中央下部にある「Target Harddisk」で、Proxmoxをインストールするストレージを選択し、画面右下「Next」を選択します。


使用する国を選択します
画面中央下部にある「Country」「Time zone」「Keyboard Layout」を選択し、画面右下「Next」を選択します。
日本で一般的な環境で使用するのであれば、下の画像と同じ設定で問題ありません。


パスワードを設定する
画面中央下部にある「Password」を設定します。ここで設定するパスワードでProxmoxの管理画面にログインするので、忘れない様にしてください。「Email」は別途メールの設定を行うことで、アラートなどを指定のメールアドレスに送信することが出来ます。必要無ければ適当なメールアドレスを記載し、画面右下「Next」を選択します。


IPアドレスなどネットワーク情報を設定する
画面中央下部にある「Hostname(FQDN)」は好きな名前を設定してください。
その他の設定は、意味が分からなければ、デフォルトの設定のままで問題ありません。


設定した内容を確認する
今まで設定した内容が一覧で表示されるので、問題が無ければ画面右下の「Install」を選択し、インストールを開始します。
設定に不備があれば、画面左下の「Abort」を選択すると、画面を戻すことができます。


インストールが完了するのを待つ
インストールの進捗を画面したのプログレスバーで確認することができます。
100%になりインストールが完了すると、前項でチェックを入れていれば自動的に再起動されます。


再起動が完了すると、下記画面が表示されます。


赤枠で囲っている「https://〇〇〇.〇〇〇.〇〇〇.〇〇〇:8006/」へウェブブラウザで接続すると、proxmoxの管理画面が表示されます。
Proxmox管理画面へログイン
インストールが完了したので、ProxmoxをインストールしたPCとは別の自宅内にあるPCでウェブブラウザ(下記画像はgoogle chrome)からProxmoxの管理画面へ入ります。
前項に記載されていた「https://〇〇〇.〇〇〇.〇〇〇.〇〇〇:8006/」へウェブブラウザからアクセスすると、「HTTPSによる安全な接続をサポートしていません。」といった表示がされますが、気にせずに「サイトへ移動」をクリックします。


「詳細設定」をクリックします。


「〇〇〇.〇〇〇.〇〇〇.〇〇〇にアクセスする(安全ではありません)」をクリックします。


下記内容を入力し、画面右下の「ログイン」をクリックしてください
ユーザ名:root
パスワード:インストール時に設定したパスワード
レルム:「Linux PAM standard authentication」を選択
言語:好きな言語


これでProxmoxのトップページへアクセス出来ます。
このページから、仮想PCの作成や削除・起動や、リソース管理などが出来る様になります。


わりと簡単ですね。
次回以降に、実際に仮想PCの作成方法などを説明する記事を更新予定です。
Proxmoxを活用することで、自宅へのVPN通信、ファイルサーバー、メディアサーバーなどを1台のPCで運用することができ、とても便利です。
余っているPCを使ったり、安価な省電力PCを活用するなど考えてみては???
こんなPCがおすすめ
省電力なので、常時稼働でも安心。ファイルサーバー+VPNサーバー位であれば全然OK
Linuxベースのオープンソースソフトなど、比較的軽量なサーバーを稼働させたいなら、省電力・省スペースで運用できるminiPCがおすすめです。4コアCPU位あれば十分運用可能です!
Windowsマシン+いろんなOSSなどを複数稼働させたい
Windowsマシンなども動かしたければ、それなりにCPUコア数が多いPCが良いです。少なくともCPU4スレッド・メモリ8GB程度のリソースを割り振った上で、他のLinuxサーバーを複数稼働させるなどであれば、CPU8スレッド~16スレッド以上あるPCで運用するのがオススメ。
中古PCで型落ちノートPCもオススメ
あまり重量級のソフトを使わないのであれば、ノートPCでの運用もオススメです。
停電やブレーカーが落ちた時にも、バッテリー稼働するので対処の時間が稼げます。
オススメ中古PCショップ
中古パソコンショップ Be-Stockは、リース落ち系のPCが多い印象です。たまにすごい掘り出し物があったりもします。Proxmox運用に相性の良い、スペックがそこそこ良い省スペースデスクトップPCのラインナップも豊富で是非一度覗いて欲しいショップです。
中古パソコンショップ「イオシス」はスマホやタブレットのイメージが強いかもしれませんが、PCも結構あり、リース落ちのビジネス系モバイルPCからMac、WindowsゲーミングPCまで、かなり幅広い商品ラインナップです。
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