“ただ、こうして生きてきてみるとわかるのだが、めったにはない、何十年に一回くらいしかないかもしれないが、「生きていてよかった」と思う夜がある。一度でもそういうことがあれば、その思いだけがあれば、あとはゴミクズみたいな日々であっても生きていける。だから「あいつも生きてりゃよかったのに」と思う。生きていて、バカをやって、アル中になって、醜く老いていって、それでも「まんざらでもない」瞬間を額に入れてときどき眺めたりして、そうやって生きていればよかったのに、と思う。”
– 中島らも『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』集英社、1994年-
誰にだってある人生の中のMagic
全てを、世界を変える事も、人生を変える事も出来るそんなMagicを音楽や映画、人、物を不定期で連載するコラムです。
連載一回目から個人的な話で済まない
25年前以上に出たこのアルバムを聴くと
いつでも当時を思い出す
AMAZON | Pieces of You 25th Anniversary Edition一番自分がダメだった頃の住んでたアパートの部屋、白い壁、湯を沸かしている
コンロ、キッチンに染みついた匂いが今でも鮮明に思い出す
特にこの曲を聴くと
音楽で当時を思い出すのは何度もあるけど、匂いまで思い出すのは初めての経験
この曲を聴くと、その当時を思い出し聴くのが辛い時もあるし聞けない時もある
でも聞かないと前に進めない感じ。
「心のかけら pieces of you」と題したこのアルバムは、最初タイトルを聞いた時シェル・シルヴァスタインの「僕を探しに」や「ビッグオーをとの出会い」の様な自分探しの歌だと思ってたけど、全然違って自分自身の内面をえぐり、剥き出し、またそれはとても壊れやすい自分の「心のかけら」として歌われ、そしてその「心のかけら」は誰にでもある「心のかけら」だからこそ世界中で1200万枚売れたのはやはりMagic。
オープンGの変則チューニングで弾き語るこの歌は、キャロルキングの「君の友達」の様に、どんな時にも僕の傍にいてくれる様で今日も癒されるのです。
書いた人
のざきひでお | HIDEO NOZAKI
「でも、やるんだよ」と根本敬イズムを仕事にも持ち込むサブカルおじさん
昨今のコンプライアンス対応で自分自身をアップデート中
「どうする!どうする!世の中どうするばっかりだ!」と
高野拳磁イズムでお伝えする不定期連載コラム
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