こんにちは。編集長の川畑です。
ベンチマークソフトはとりあえず回したくなりますよね?
ZBrushやCinema4Dなど、クリエイティブツールで有名なMaxonから提供される、PCの定番ベンチマークソフト「Cinebench」の最新バージョン「Cinebench 2024」がいつの間にかリリースされていました。(2023年9月5日リリースなのでちょっと前ですが・・・)
今回のバージョンでは久々(10年ぶり)に、GPUのベンチマークも実装されています。
とりあえず、自宅のPCをかき集めて、「Cinebench 2024」を回していきたいと思います。
「Cinebench 2024」の動作環境
最低動作環境(Windows)
- 16GBのRAM
- AVX2をサポートする64ビットのIntelまたはAMD CPU、またはSnapdragonコンピュート・プラットフォームもしくはARM v8.1 64ビットCPU上のWindows 11
- CUDAコンピューティング能力5.0以上、8GB VRAM搭載のNVIDIA GPU
- AMD「Navi」または「Vega」GPU以降で、HIP機能を搭載し、8GB以上のVRAMを搭載したもの
最低動作環境(macOS)
INTEL版
- 16GBのRAM
- SSE4.2をサポートした64-bit プロセッサ
- 8GB以上のVRAMを搭載したAMD「Navi」または「Vega」以降のGPU
Apple Sillicon版
- 16GBのユニファイドメモリ。
CPUレンダリングは、8GBまたは12GBのメモリを搭載したApple Siliconマシンでも動作しますが、OSのメモリページングは16GBのメモリを搭載したマシンに比べてパフォーマンスを低下させる可能性があります。 - アップル「M」シリーズ(M1、M1 Pro、M1 Max、M1 Ultra、M2、M2 Pro、M2 Max、M2 Ultra、M3、M3 Pro、M3 Max)
上記の動作環境を見ての通り、Arm系のWindowsPCにも対応しています。
ただ、最低動作環境の要求がかなり高い為、PCゲームをやる様な人や、クリエイターが持っているPCでないと、そもそもベンチマークがまわせません。。。。
試しに、「OS:Windows10、CPU:Core i5-6200U、メモリ:8GB、GPU:Inten HD Graphics 520」のタブレットPCで回そうとしたところ、「Failed to allocate necessary GPU Recyclable memory」というエラーが表示され、CPU、GPU共にベンチマークを回すことが出来ませんでした。
最低動作環境として、Windowsの場合はVRAM 8GB以上のNVIDIA GPU、AppleSilliconのmacの場合は16GB以上のユニファイドメモリが必要な為、下記スペックのPCは、GPUのベンチマークの「Start」ボタンがグレーアウトされ、実行する事が出来ませんでした。
Windows「OS:WIndows11、CPU:Ryzen9 5900HX、メモリ:16GB、GPU:RTX3050 laptop(VRAM:4GB)」
M1 mac「OS:Sonoma 14.1.1、CPU:M1、メモリ:8GB」
ベンチマークを行うPCたち
CPU・GPUベンチマークを行うPC
PC01
- OS:Windows11
- CPU:Ryzen 9 6900HX
- メモリ:32GB
- GPU:Geforce RTX3070ti laptop VRAM8GB (150W版)
PC02
- OS:Windows11
- CPU:Ryzen 5 3500
- メモリ:32GB
- GPU:Geforce GTX1660Ti VRAM6GB
PC03
- OS:Windows10
- CPU:Core i5-8400
- メモリ:16GB
- GPU:Geforce GTX1060 VRAM6GB
CPUベンチマークのみ行うPC
PC04
- OS:Windows11
- CPU:Ryzen 9 5900HX
- メモリ:16GB
- GPU:Geforce RTX3050 laptop VRAM4GB (50W版)
PC05
- OS:MacOS Sonoma 14.1.1
- CPU:M1
- メモリ:8GB
GPUベンチマーク結果
GTX1660TiとGTX1060はVRAM 6GBなので、最低要件を満たしてはいませんが、GPUベンチマークを回すことができました。RTX3050 laptopは世代は新しいですが、VRAM 4GBと大幅に足りていないせいか、GPUベンチマークを回すことが出来ませんでした。
GPU | スコア |
Geforce RTX3070ti laptop VRAM8GB (150W版) -PC01 | 9874 |
Geforce GTX1660Ti VRAM6GB -PC02 | 3446 |
Geforce GTX1060 VRAM6GB -PC03 | 2502 |
RTX3070ti laptopは、他のサイトなどを見たところ、RTX4060 laptopに近いスコアが出ているので、まだもう少し戦えそうです。
それにくらべ、デスクトップ版ではありますが、RTX系世代でいうと2000系と同世代のGTX 1660Ti、さらに古いGTX 1060に関しては、思っていたよりRTX3070Ti laptopとスコアに差が開きました。
ゲームのベンチマークなどでは、RTX3070Ti laptopと、ここまで差が開くことはないので、VRAMの容量の少なさが足を引っ張っているとも考えたのですが、タスクマネージャーで確認すると「3D」の項目がほぼ100%で張り付いている為(ベンチマーク中ずっと見ていたわけではないですが。。。)、プロセッサーの計算速度の差がしっかり出ている可能性があります。
最新のグラフィックを売りにしているゲームタイトルで無ければ、1660Tiや1060でもゲームは動きますし、フルHDの動画編集などでは、CUDAを使ったエンコードなどはまだまだ快適です。
CPUベンチマーク結果
まずは、全てのCPUスレッドを使用したマルチコアのベンチマークスコアです。
PUーマルチスコア | マルチコア スコア |
Ryzen 9 6900HX ーPC01 | 723 |
Ryzen 9 5900HX ーPC04 | 574 |
M1 ーPC05 | 431 |
Ryzen 5 3500 ーPC02 | 382 |
Core i5-8400 ーPC03 | 340 |
最新のINTEL CPUのPCを持っていないので、ノートPC用とはいえ、Ryzen 9 が強いです。
6900HXと5900HXの差が大きいですが、PC01は17インチのゲーミングPC、PC-04は14インチの薄型モバイルノートPCなので、PC-04に搭載されている5900HXに関しては、電力が制御され、フルで性能を発揮していないと考えられます。
続いて、1コアだけ使用するシングルコアのベンチマークスコアです。
CPU | シングルコア スコア |
M1 ーPC05 | 108 |
Ryzen 9 6900HX ーPC01 | 86 |
Ryzen 9 5900HX ーPC04 | 85 |
Ryzen 5 3500 ーPC02 | 69 |
Core i5-8400 ーPC03 | 64 |
シングルコアでは、Macの「M1」が一番良いスコアをたたき出しました。
動画のエンコードや、3Dグラフィックスのレンダリングなどは、マルチスレッドでの性能が非常に重要ですが、一般的なアプリケーションの使用では、まだまだシングルスレッドの性能の高さが速度に大きく影響します。
M1は「Ryzen 9 5900HX」「Ryzen 9 6900HX」よりも、発売日は古いですが、まだまだバリバリ現役で戦えそうですね。
実際に現在も外出先でM1 macを使う機会が多いですが、AdobeのIllustratorやPhotoshop、PremiereProなどを利用して簡単な作業を行うにしても、ストレスは特に無いです。
是非、今後買うPCの参考に
とりあえず家にあったPCでCinebench2024を回してみました。
ネット上では、様々な人が、様々なスペックでベンチマーク結果を公開しています。
新しいハイスペックなPCを買う時の参考にするのも良いのですが、少し型落ちの中古PCなどをサブ機として購入する時などに、そのPCのスペックのベンチマークをネットで探して、今自分が使っているメイン機に比べどの程度の速度が出るのか、最新のPCに比べどの程度の性能差があるのかを比較し、検討材料にすると、買った後に思っていたより使用感が良くないなどのがっかり感を減らせると思います。
と、言いつつ、新しいベンチマークソフトが出ると、所有PC達でどの程度の結果になるか見たいだけなんですけどね!
それが、皆さんの役に少しでも立てれば幸いです!
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