今から18年前、2006年にニコンから発売された『D40』というカメラがあります。
ボディだけなら6万円弱というエントリーモデルで、小型で軽量、センサーは今では使われていないCCD、今どきのスマホのインカメラにも及ばない600万画素という往年のデジタル一眼レフカメラです。
2008年ごろ、仕事でニコンの『D700』を使っていた(ここは記憶が曖昧だけど、とにかく当時のフラッグシップ機。コンパクトフラッシュを入れていたし、おそらくその辺り)僕は、「プライベートでもニコンのデジイチが使いたい」と思い、D40のレンズキットをたしか7万円程で購入しました。
当時としてもエントリーモデル(エントリーですらない。ファミリーモデルだ!という人もいます)だし、なんせ古いこのD40ですが、今カメラ好きの方たちの間では「名機」と呼ばれる存在になっていることに最近気が付きました。
そんなわけで、僕がこのカメラを好んで使い続けている理由、Nikon D40の好きなところを取り上げていきたいと思います。
Exifを手癖で消してしまっているので細かい設定が不明ですが、掲載する写真は最後を除いて全てD40とキットレンズの「AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6G II」で撮影しています。
Nikon D40の好きなところ①小回りが利くデジタル一眼レフであること
D40は重量が475g、ボディの横幅は12.6cmと、500mlのペットボトルよりも軽く、スマホの縦よりもボディの横幅は小さいです。全体的なボリューム感は付けるレンズによって変わりますが、それでも小型・軽量に特化したカメラだと言えます。
趣味で使う場合、大きいカメラは持ち運びや取り扱いがどうしても面倒になって、カメラを構えるということ自体をしなくなる、という部分があると思います。D40はよく「お散歩カメラ」と形容されますが、デカくて重いハイエンドな現行機を留守番させておいて持ち歩くのは結局D40、というのはニコン好きの人にはよくある話です。
小回りが利くというのはカメラ本体の大きさの話だけではなく、画素数が低いので写真のデータ容量も軽く出来ますし、壊れてもダメージが少ない価格の安さも使いやすさに直結する要因です。
風景や動物、スナップ写真なんかを撮りたいなら、とにかくたくさん持ち運んで、少しでも多くのシャッターチャンスに遭遇しなければカメラを持っている意味はありません。そういう意味では、気楽に持ち出せて、簡単に、納得のいく写真が取れるD40がちょうどよいカメラだと感じています。
Nikon D40の好きなところ②画質と感度のバランス
D40の「仕上がり設定:鮮やか」のCCD機ならではのコッテリとした色合いが好きです。そして、それを簡単に撮影出来るところも。
簡単に撮影出来るというのは、暗い場所や、暗いレンズで、感度を上げて手持ちで適当に撮影してもブレの無い写真が撮れるという意味です。
D40は高感度撮影に強く「ISO1600で常用できる」とユーザーの間でしきりに言われていました。
一般的に、ISO感度を上げて撮影するとシャッタースピードが上がりブレは少なくなりますが、写真のザラつきが増えます。
ただ、そもそも600万画素のカメラなので、商業写真の撮影に使われるようなことは無かったと思いますし、個人的には現像もしません。
ブログなどWeb上に掲載するなら、等倍ではなく縮小して表示するので多少のノイズは気にならないし、仮に現像するとしてもA4サイズぐらいなら600万画素でも問題ない仕上がりになります。
D40の用途は「なんかちょっと雰囲気の良い写真を気軽に撮りたい」とかその程度。でもそれを求める人が多い。というか、それこそがまさにエントリーモデルのカメラに求められていることで、多くの人に刺さった部分なんだと思います。
これで良い。これで十分。と思っていたけど、むしろ逆にこれが良い。っていう。
CCDセンサーの妙に艶やコクのある色合いと、高感度耐性。そしてそれを低価格で実現していること。
これがD40が「名機」と呼ばれる理由の1つなんだろうと思います。先述していますが、僕は世間の評判を知らずに長年使っていたので本当のところがどうなのかは分かりません。
もっと違う理由があるのかも知れませんが、僕はその特徴がただただ好きで、ずっと使っています。
Nikon D40の好きなところ③初めて購入したカメラであること
D40は僕が初めて購入したデジタル一眼レフカメラです。
今では他にもいくつかのカメラを持っていますが、1番長く連れ添い、1番思い入れがあるのも、1番気に入っているのも、間違いなくこいつ。
今は1人で暮らしていますが、もともとは大切な人や風景を撮るために購入したカメラです。
僕は撮影した全ての写真をクラウドストレージやHDDに保存していますが、サービス終了や故障でいつ見られなくなるか分からないし、それはあくまでも物理的な記録でしかありません。
今でこそ在宅ワークの引きこもりですが、このカメラと一緒に、いろいろな場所に旅行に行き、日常の何気ないひとコマも、イベントも、今はもう見ることの出来ない風景も、すべてこのカメラが僕の脳みそやSDカードとは別の領域で記憶してくれていると僕は思います。
Nikon D40。大昔のエントリーモデルのくせに、スマホにも完敗するスペックのくせに、1秒でも長生きしてほしい、1番大切な僕のカメラ。
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