以前ご紹介したゲーム用のリモートデスクトップアプリの『Moonlight』ですが、しばらく触っていないうちに環境が大きく変わっていたので改めて取り上げます。
具体的にはホスト側の設定の話で、Moonlight用のストリーミングソフト『Sunshine』が公開されたので今後はそちらを使用しましょうね、というお話。
Sunshineとは
Moonlightはもともとホスト側のストリーミングツールとしてNVIDIA「GeForce Experience」のストリーミング機能(GameStream)を前提として機能していました(だからなのか、調べるとNVIDIA公式のサービスだと勘違いしているっぽいユーザーもちらほら)。
2024年11月12日にNVIDIAが新しいアプリ(NVIDIAアプリ)をリリースしたことに伴ってGameStreamが廃止、オープンソースソフトであるMoonlight側が(慌てて?)用意したのがMoonlight用に開発した「Sunshine」というソフトなわけです。
有志によって結成されているMoonlightチームは、NVIDIAと何か契約とか提携とかしているわけではないので「NVIDIAアプリ」が公開されてからその事実を知ったとGithub内のMoonlightFAQページで明かしています↓
SunshineはMoonlightのオリジナルアプリなだけあってGeForce Experienceでは不可能だった多くの機能を実現しています。
- NVIDIA/AMD/Intel/GPUのサポート
- HEVCやH.264コーデックよりも高品質な AV1 エンコーディング
- PS4/Xboxコントローラーのエミュレーション
- クライアント側のカーソルレンダリング
専用のアプリにすることで、NVIDIAの動向による一方的な影響(互換性の問題とか)を心配する必要がなくなり、NVIDIAのグラボやアプリが入っていないPCでも使えるという利点も(そもそもゲーム用に使用するリモートツールなので非ゲーミングPCに繋ぐケースは少ないだろうけど)。
とりあえず低遅延なリモートゲーミング環境を作りたかったらMoonlight+Sunshineの組み合わせにしておけば快適にプレイ出来ます。相性などの問題によってはParsecのほうが使えるという場面もあるので気になる方は以下の記事もチェックしてみてください↓
Sunshineのインストール
公式サイトにアクセス。
LizardByte – Sunshine
https://app.lizardbyte.dev/Sunshine/?lng=en
トップページ下部にDownloadのリンクがあります。
Githubのreleasesページに移動するのでAssetsを表示。自分のOSに合うものをダウンロードします。
SunshineはWebUIなので起動するとWebページが表示されます。コンソール画面が同時に立ち上がりますが気にしなくてOK。
初回起動時はユーザー名とパスワードの設定が必須で、ユーザー名にはデフォルトでsunshineと入っているのでそのままでも。自分で考えたパスワードを入力したらログインを押します。
ログインしてトップページが表示されたらホスト側としての準備は完了です。
Moonlight+Sunshineの接続方法
接続方法の手順については
- ホスト側でSunshineを起動
- クライアント側でMoonlightを起動、PINを表示
- ホスト側SunshineでPINを入力
- 接続完了
という手順です。
ホスト側のデバイスでSunshineの準備が出来たらクライアント側となるデバイスでMoonlightを起動。Moonlightの導入方法については以下の記事で解説しています↓
今回はクライアント側をスマホで試してみますが、Moonlightが対応しているプラットフォーム(Windows, Mac, Linux, Android, iOS)なら同じ方法でいけますし、ひっそりとAmazon Fire TV Stickでもアプリが公開されていたりもします↓
ホスト側でSunshineを起動して、同一ネットワーク内でスマホに入れたMoonlightを起動すると以下のような表示になるはず。
接続したいデバイスをタップ。
すると4桁のPINが表示されます。
ホスト(今回の場合はPC)側で先ほど表示されたPINを入力すると接続が完了し、Sunshine側で操作を許可したアプリの一覧が表示されます。
Sunshineの設定で「デスクトップ」と「Steam Big Pictureモード」の2つが最初から追加されているので何もしなくてもこの2つが表示されていますが、ストリーミングするアプリはSunshineの設定から自由に追加できます。
Steamを選択するとBigPictureモードが起動します。
仮想パッドが画面に表示されるのでタップで操作できそうな感じがしますがコントローラー接続必須です。スマホにBluetoothでゲームパッドを接続するなどして準備しておきましょう。
これでリモートプレイが可能になりました。
試しに小一時間ほど遊んでみましたがMoonlightの快適さは相変わらずで遅延を感じることなくプレー出来ます。
この環境を外出先から…となるとVPN接続が絡んできてややこしくなるので今回は言及しませんが、ベッドに入ってスマホでゲーミングPCのゲームを遊びたいとか、Amazon Fire TV Stickをプロジェクターに接続して大画面でゲームを遊びたいとか言った場面にはかなり使える環境を作れると思います。
Moonlight
https://moonlight-stream.org/
Sunshine
https://app.lizardbyte.dev/Sunshine/?lng=en
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